㊉ 妙円寺 慈愛の丘とそ動物霊園|宗教法人法第3条と動物供養について
−宗教法人法第3条−
宗教法人法 (抄) 第3条 この法律において「境内建物」とは、第一号に掲げるような宗教法人の前条に規定する目的 のために必要な当該宗教法人に固有の建物及び工作物をいい、「境内地」とは、第二号から第七 号までに掲げるような宗教法人の同条に規定する目的のために必要な当該宗教法人に固有の土地をいう。
一、 本殿、拝殿、本堂、会堂、僧堂、僧院、信者修行所、社務所、庫裏、教職舎、宗務庁、教務 院、教団事務所その他宗教法人の前条に規定する目的のために供される建物及び工作物(附属 の建物及び工作物を含む。)
二、 前号に掲げる建物又は工作物が存する一画の土地(立木竹その他建物及び工作物以外の 定着物を含む。以下この条において同じ。)
三、 参道として用いられる土地
四、 宗教上の儀式行事を行うために用いられる土地(神せん田、仏供田、修道耕牧地等を含む。)
五、 庭園、山林その他尊厳又は風致を保持するために用いられる土地
六、 歴史、古記等によつて密接な縁故がある土地
七、 前各号に掲げる建物、工作物又は土地の災害を防止するために用いられる土地。
はい。宗教法人法第3条は、直接「信仰の自由」を定めた条文ではありませんが、根底には日本国憲法の信教の自由と政教分離原則があります。
憲法との関係を整理すると、
① 憲法20条「信教の自由」
日本国憲法第20条
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
このため国は、
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寺院
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神社
-
教会
-
宗教団体
が宗教活動を行うために必要な財産を保護する必要があります。
そこで宗教法人法第3条では、
「ここまでは宗教活動に必要な境内地・境内建物ですよ」
という範囲を法律上明確にしています。
② 憲法89条との関係
憲法89条
公の財産は宗教上の組織若しくは団体の使用・便益のために支出してはならない
という政教分離規定があります。
そのため、
「どこまでが宗教活動に必要な土地なのか」
を法律上はっきりさせる必要があります。
宗教法人法第3条はその基準でもあります。
③ なぜ境内地を細かく定めるのか
例えば寺院の場合、
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本堂
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庫裏
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墓地
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参道
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駐車場
-
山林
が全部境内地なのか?
という問題が起きます。
そこで第3条は、
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参道
-
儀式用地
-
風致林
-
歴史的由緒地
まで含めて、
「宗教活動に必要なら境内地として認める」
と定めています。
宗教法人法第3条と「慈愛の丘 とそ動物霊園」について
― 宗教活動との不可分性に関する考察 ―
はじめに
宗教法人法第3条は、宗教法人の目的達成のために必要な「境内建物」及び「境内地」の範囲を定めている。
その背景には、日本国憲法第20条が保障する信教の自由と、憲法第89条が定める政教分離原則が存在する。
宗教法人法第3条は、宗教法人が宗教活動を行うために必要な土地・建物・工作物を保護し、その活動基盤を明確化するための規定である。
近年、寺院が運営するペット火葬供養施設について、
「火葬業は宗教活動ではなく収益事業である」
との見解が示されることがある。
しかし、そのような評価は、寺院の実際の宗教活動や施設の利用実態を十分に検討した上でなされるべきであり、単に「火葬施設」という名称のみをもって宗教活動外と断定することは適切とは言えない。
1 宗教法人法第3条の趣旨
宗教法人法第3条は、宗教法人の目的のために必要な施設を「境内建物」及び「境内地」として定義している。
同条では、
・本堂
・庫裏
・僧堂
・教務所
・参道
・儀式行事を行う土地
・庭園
・山林
・歴史的縁故地
などが例示されている。
ここで重要なのは、
「宗教法人の目的のために必要な施設であるか」
という点である。
つまり、施設の名称や形態ではなく、その施設が宗教活動とどのように関係しているかが本質的な判断基準となる。
2 第一種低層住居専用地域と寺院施設
ペット火葬供養施設に関しては、第一種低層住居専用地域との関係が問題となることがある。
しかし実務上は、
「寺院施設との可分性」
「寺院施設との不可分性」
が重要な判断要素となっている。
寺院境内に存在する施設であっても、その施設が独立した事業施設として運営されている場合と、寺院の宗教活動の一部として機能している場合とでは評価が異なる。
したがって、
「ペット火葬施設だから宗教活動外である」
という一律の判断は妥当ではなく、
「寺院の宗教活動と不可分一体の施設であるか」
という観点から検討されるべきである。
3 とそ動物霊園の実態
法智山妙円寺が運営する「慈愛の丘 とそ動物霊園」は、単なる火葬施設ではない。
同施設では、
・個別火葬
・合同火葬
・読経供養
・納骨
・納骨堂管理
・合同供養塔への合祀
・毎月の供養祭
・施餓鬼法要
・年忌供養
が継続的に行われている。
つまり、
火葬
↓
読経供養
↓
納骨
↓
供養祭
↓
年忌供養
という一連の宗教的営みの中に火葬が位置付けられているのである。
そのため、
「火葬行為のみを切り離して評価する」
ことは、施設全体の実態を正確に反映しているとは言い難い。
4 火葬炉の宗教的利用
とそ動物霊園の火葬炉は、ペット火葬専用設備ではない。
同火葬炉は、
・古いお札
・お守り
・塔婆
・供養品
などの「お焚き上げ供養」にも使用されている。
お焚き上げは古来より神社仏閣において行われてきた宗教儀礼であり、そのために使用される設備は宗教活動の実践そのものである。
したがって、
火葬炉を単なる焼却設備として評価することは実態に即していない。
むしろ、
・動物火葬
・読経供養
・納骨供養
・慰霊祭
・お焚き上げ供養
を支える宗教施設として機能している。
その意味において、火葬炉は妙円寺の宗教活動と不可分一体の設備である。
5 固定式大型火葬炉と適法運営
とそ動物霊園は、移動火葬車による簡易的な火葬施設ではない。
境内地内に設置された固定式大型火葬炉を2基備えている。
各火葬炉には第2焼却バーナーが装備され、高温燃焼による適正処理を行う構造となっている。
また、施設の設置及び運営については、鹿児島市環境衛生担当部署へ確認を行い、関係法令に基づき運営されている。
したがって、
本施設は一時的・仮設的な設備ではなく、
寺院が継続して供養活動を行うための恒久的施設として整備されたものである。
6 妙円寺と動物供養の歴史
妙円寺は島津義弘公の菩提寺である。
義弘公は猫神信仰や馬供養など、動物との関わりが深い人物として知られている。
その歴史的背景のもと、
妙円寺が現代において動物供養を行うことは、
単なる新規事業ではなく、
寺院が受け継いできた動物への慈しみの文化を現代に継承する宗教実践であると位置付けることができる。
7 結論
とそ動物霊園は、単なるペット火葬施設ではない。
妙円寺が行う動物供養という宗教活動を実践する場である。
同施設では、
・火葬
・読経供養
・納骨
・合祀
・供養祭
・施餓鬼法要
・年忌供養
・お焚き上げ供養
が一体的に行われている。
さらに、固定式大型火葬炉2基を備え、その火葬炉は動物火葬のみならず宗教的なお焚き上げ供養にも使用されている。
また、施設は行政機関への確認のもと適法に整備され、継続的な宗教活動の場として機能している。
これらの事実を総合的に考慮すれば、
とそ動物霊園は、
「妙円寺の宗教活動と不可分一体の施設」
として位置付けることができる。
したがって、
単に「ペット火葬施設である」という理由のみをもって宗教活動の範囲外と評価することは適切ではなく、
宗教法人法第3条の趣旨に照らしても、
宗教法人の目的達成のために必要な施設として検討されるべきものである。
8 民間施設との違い
とそ動物霊園を考える際には、一般の民間ペット火葬施設との違いにも着目する必要がある。
都市計画法及び建築基準法上、第一種低層住居専用地域は住環境の保護を目的とした用途地域であり、
建築可能な施設には厳しい制限が設けられている。
そのため、同地域においては、
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学校/幼稚園/保育所
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病院/診療所
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神社/寺院/教会









