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西郷どんの人柄〜愛犬ツンと妙円寺詣り、そして座禅修行から見えるもの~

〜西郷どんの人柄、愛犬ツンと妙円寺詣り、そして座禅修行から見えるもの〜

2018年NHK大河ドラマ西郷どんオープニングより

 

鹿児島が誇る偉人・西郷隆盛(吉之助)は、その偉業と同じくらい、その人柄の温かさと誠実さでも多くの人に愛されています。

〜妙円寺詣りに見る若き日の西郷の姿〜

嘉永元年(1848年)、西郷22歳の頃、親友・大久保正助(後の利通、当時19歳)とともに、

関ヶ原の戦い「敵中突破」で薩摩を救った島津義弘公を偲ぶ、鹿児島の伝統行事「妙円寺詣り」に参加しました。

この詣りは、城下町の若者たちの修養の一環で、夜通し歩いて伊集院まで向かうというもの。

若き西郷は、すでに心身を鍛え、仲間とともに志を育んでいたのです。

東郷平八郎の誕生地碑(鹿児島市加治屋町)と妙円寺(日置市伊集院町)の奉納額

 

~薩摩隼人は強きをくじき、弱きものにやさしくあれ~


◆「ツン」と歩んだやさしき心

上野の西郷隆盛像で有名な犬連れの姿。この犬は「ツン」と名付けられた薩摩犬で、西郷が深く愛した愛犬です。

実際のツンはメス犬でしたが、銅像に寄り添う犬は雄犬。これは、像の制作時にはすでにツンが亡くなっており、薩摩出身の軍人・仁礼影範が飼っていた「サワ」という雄犬がモデルとなったためです。

ツンとの散歩や生活の様子は、西郷がどれほど家族や動物、弱きものに対して心を寄せていたかを物語っています。

◆禅とともに育まれた「静かなる強さ」

西郷の人柄を語るうえで欠かせないのが、草牟田の誓光寺での座禅修行です。

住職・円了無参和尚のもとで、仲間と共に座禅を組み、朱子学の書『近思録』を読みながら、自らの「志」を深めていきました。

この頃、藩内では島津斉彬派と久光派の対立が激化し、「お由羅騒動」や親しい人々の切腹・流罪といった激動の時代に直面します。

それでも西郷は、動揺せず、正義と信念を見つめ続けた。座禅によって培われた「自省」と「覚悟」が、後の大きな政治的行動の礎となったのです。

Tokyo Japan bronze statue of Japanese statesman Saigo Takamori Nov 30 2023

● 西郷隆盛の人柄 まとめ

特徴

内容

温厚で情に厚い

弱い者、動物に対しても深い愛情を注ぎ、誠実に接した(例:ツンとの関係)

実直で誠実

地道に下級役人の職務を果たし、人望を集めた

自己鍛錬を重んじた

座禅や学問を通じて、自らを律し、常に志を忘れなかった

仲間思い

若き日に大久保利通らと共に修養を重ね、後の精忠組として維新を成す

 

-人も動物も大切に供養したお殿さま-
㊉ 島津義弘公菩提寺 法智山 妙圓寺 慈愛の丘 とそ動物霊園