ペットと呼ばれる生命たちの光と影…。

ペットと呼ばれる生命たちの光と影…。

~ぼろぼろな駝鳥  高村光太郎~
何が面白くて駝鳥を飼ふのだ。
動物園の四坪半のぬかるみの中では、
脚が大股過ぎるぢやないか。
頸があんまり長すぎるぢやないか。
雪の降る国はこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢやないか。
腹がへるから堅パンも食ふだらうが、
駝鳥の眼は遠くばかり見てゐるぢやないか。
身も世もない様に燃えてゐるぢやないか。
瑠璃色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまへてゐるぢやないか。
あの小さな素朴な頭が無辺大の夢で逆まいてゐるぢやないか。
これはもう駝鳥ぢやないぢやないか。
人間よ、
もう止せ、こんな事は。

「このミニチュア。ダックスめちゃ可愛いから買っちゃおうよ」
「やっぱり今の流行はチワワっしょ」
流行に乗せられぬいぐるみを手に入れるように生きものを買う。
そこに身分証明書の提示の必要もないし、犬や猫を飼う上での法令がある訳でもない(あっても機能していない飾りもの)日本のペット産業の現実です。

飼ってはみたけど、糞尿のしつけもできないし、彼女と旅行にもいけない、もう飽きたし、遠くの山へ捨ててしまおう。もしくは保健所に連れていけば無償で処分してくれるらしい。

マンション住まいでウチのシベリアンハスキーは吠えすぎるから舌を切ってしまおう。
ラブラドール散歩がめんどいんだよね、足を切ってしまえばどうかな。

俺たちは暑いけど、猫は暑がらないっていうから窓閉めきって外出しても大丈夫だろ。

未成熟な国。日本のペット狂想曲。
私が確かに聞いたり読んだりした記事の内容です。

身勝手な人間のエゴにより虐待されたり捨てられて保健所で殺処分される犬猫が現在でも後を絶ちません。

さらに私は3.11以降、少なからず考え方が変わりました。いや、あの地獄のような惨劇を見せられ、変わらされたのだと思います。人間は忘れていく生き物です。

時が経つにつれ東北のことも誰も思い出さなくなってきているのではないでしょうか。未だ我が家を失い、故郷から遠く離れた場所で、場合によっては家族が離れ離れのケースもあります。人間ですらこの状態なのですから、置き去りにされた動物たちはさらに悲惨で、鎖につながれたまま餓死したり、空腹の余り馬小屋から必死に逃げようとして足が傷だらけになって横たわり死んでいった馬など挙げればきりがありません。

私は自身の働く施設のホームページで、動物の生死に触れて「死も大事だが、生はそれよりも大事」と書いた。結局どのように扱われどのように死んだのか…。生の意味が死の意味なのだと私は感じるからです。震災にあった動物も悲惨だが、人間の身勝手な感情で、都合で捨てられ、今でも全国の保健所では年間数十万の殺処分が行なわれている、これは助けられなかった命ではないはずです。

そのような中で、里親探しなどの地道な活動をされておられる方々には頭が下がる思いです。私もまず一歩踏み出してみようと思いました。確実に地に足をつけ、懸命に生きようとする動物たちがいる。それを支えようとしている人達がいる。それは紛れもなく“生として生けるもの”の叫びです。手伝いとはおこがましいが、このプロジェクトがきっかけとなって、大切な命が救われることを願います。

■JOAP~慈愛の丘アニマルプロジェクト~のページ    http://myoenji.jp/pet/joap.html

~サヨナラに咲く花より~

五月某日、午後、綺麗な茶色のハンサムな、MIX犬18歳のこんちゃん(仮名)をお見送りいたしました。
「夜勤の私を困らせることなく、朝早く逝ったのでしょう。
最後まで手のかからない良い子でした」
飼い主の女性はそう言って、涙をこらえました。

綺麗な花束と女性の電話番号と住所、好物のドッグフードの入った封筒をこんちゃんに抱かせて最後のお別れをしました。
待合室で、しばらくいろんなお話を聞かせていただきました。

「日本人はペットの命を軽く考えすぎている、ブームに乗せられて買って、飽きたら捨てる。一番許せなかったのは病気になってメスを入れられ抜糸もしてないまま、近所に捨てられていた犬を拾った時だそうです」

「ウチに来るのは、死にかけた犬猫ばっかり…」
彼女はこんちゃんが亡くなる今までの数十年、4匹の犬を見取り、また捨て猫や捨て犬を保護しては、近所のスーパーやコンビニに貼り紙までして里親探しをしてきたそうです。

本当に頭の下がる思いがしました。

「でも、これで終わり。ほっとした。肩の荷が下りました。
これからは父の看病もあるし自分のできることのギリギリでやってきたから」

「お世話になりました」ニコリと笑い、彼女は緑のお骨袋を大事そうに抱えて、とそ動物霊園を後にしました。

※(厚生労働省の2010年度のデータでは国内で約678万頭が飼い犬として登録されている。
 猫なども含めるとペットの動物は2000万頭以上ともいわれる。)(zakzak web)

~動物の扱われ方を見れば、その国の品格がわかる~/マハトマ・ガンジー氏